バリ島にはなんともいやらしい名前のキンタマーニという地名がある。
そのキンタマーニからサンライズトレッキングができるという。バトゥール山という1717mの活火山だ。ちょっと冒険がしたいとバトゥール山のサンライズトレッキングに参加することにした。
4時ぐらいだったと思う。朝まだ真っ暗闇の時間に起きて、寒い中歩く。急斜面で結構きつい。けど、暗い中山を歩いているという高揚感で前に進むことができた。サンライズのビューポイントまでそんな大した時間ではなかったと思うがかなり長く感じる。山をやっていなかった僕は、体力がまったくなかった。到着後、バナナとゆで卵、暖かいコーヒー。めちゃくちゃうまかい。薄暗いなか、日が出るのを眺める。
うん、最高だ。満足した。同じツアーに参加していたシンガポール人は普段からトレッキングが趣味だということで登る時も降りる時も余裕の顔。僕とは大違いだった。山頂にはいかずに下山した。
キンタマーニはすごく小さい街で、名前はいやらしいが、すごく人懐っこい。
その小さい街を散歩していると、一人の小学校高学年くらいだろう男の子が英語で話かけてきた。彼はずっ笑顔で素敵だ。髪型もワックスで固めているようにも見え、かなりキリッとしている。
どこから来たとか、そんな、当たり障りのないことを話していると子供達にかこまれた。ちょうど女の子たちはバリ舞踊の練習をしていた。みんなほんと可愛いい。バリを旅していると、ほんとこういう光景を目にした。バリ舞踊は生活の一部であり、本当に大事にしているのだろう。
結局、話しかけてくれた彼の家に招待された。リビングにみんな集まってきて、みんなの視線が集まる…仏壇にあったハエがとまっていたマフィンのようなパン、ちょっとした果物を僕の方によこした。
受け取るとパンはカチカチでパサパサになっていたのわかる。大丈夫、大丈夫と言い聞かせながら、美味しい!ありがとう!といいながらありがたくご厚意をいただいた。
小さい街中で何度も会うおばちゃんは、マッサージやらないか、と何度も迫ってくる。すごい勢い。
そのうち、ホテルまで来た。
「子供を育てるためにお金が欲しい。
マッサージさせて」
その根気とストレートさに負け、マッサージを受けた。
子供を育てるぞという熱意でオイルか何かで強く強くこすってくれた。終わったあとは皮膚がヒリヒリする。怒る気もしない。
キンタマーニのあの少年の家族に写真を送ると言ったけど送れていない。
旅の途中、住所を書いたメモをなくしてしまったのだ。
また、キンタマーニに行く。
写真、渡しにいこう。
その時はぜひまた、バトゥール山の山頂まで登ろうと思う。
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