バスの窓から外を見ると、たくさんの人が集まってきた。それも走って。
パクセーについたんだ。大通り沿いのちょっとした建物にバスが横付けされた。
パクセーセントラル??
何人ものバイタク?のお兄さんたちに言われる。
覚悟していたけどやっぱりうざい。
当然のようにこっちこっちといって僕を誘導しようとする。
油断してたらそれが当然かと思って、ついうっかりバイタクに乗ってしまう。そういう何もわからないだろうという弱みに付け込んで、姑息な手段を使う人って、本当に腹が立つ。時に許せないぐらいのこともあるけど、そんなの平気って笑い飛ばせるぐらいの大きな器が欲しい。そんな出会いがたくさんあるのも旅。
僕の華麗なるスルーをよそに、彼は僕に話し続ける。
街まで5キロもある、歩きじゃ遠すぎるって。
バスから出されたバックパックを無理やり持ってバイクに乗せようとするが、そんなことはさせない。一応、社交辞令で値段を聞いてみる。
はっきりその金額は覚えてないけど、その距離でその額は出せない、なめてる。やっぱりそう思った。
歩いてくよ
OK、OK
そういいながら彼を見もせずに僕は彼を引き離した。途中までは何か話しかけながらついてきたが、諦めたようだった。
OKといったものの方向すらわからない。とりあえず僕は、ほかのバイタクが進んだ方向に進んだ。やっぱり30分も歩くとセントラルっぽい雰囲気になってきた。ソンテウ(乗り合いバス)がマーケットの一角でたくさん止まっている。なんだ5キロもないじゃんか。
途中で、銀行で両替をした。銀行員同士ふざけ合って遊んでる。
その一人、イケメン風の行員が話しかけてきた。
MAY I HELP YOU???
僕が両替だというと、カウンターの番号を教えてくれた。
彼のこと何となく、苦手なタイプだなと思った。
しばらくして、手続きを待っているとその彼がもう一度話しかけてきた。
SIR!!!! 銀行内では帽子はお取りください!
ルールですから。。
普通の帽子だよ?????????
子供みたいに女の子追っかけて、大きな声で笑い合い、じゃれ合って遊んでるくせして、小さいこと気にすんなよ!と、思ったた。それに、女の子と楽しそうに遊んでたってうらやましくなんかない。やたらのんびりしているラオスでそんなこと言われるのも癪だった。でも僕も30歳、大人だ。
にっこりわらって
oops sorry!
旅の醍醐味。宿探しだ。
今回はガイドブックはない。だから、勘で歩いて、ゲストハウスやホテルという文字を探しては飛び込んだ。
部屋を見ては値段を聞いた。
どこかしらいい!と思えるところで泊まりたいし、何よりこの飛び込んで部屋を見せてもらって、ホテルの人とコミニュケーションとって、そんなことがすごく好きだった。
僕は炎天下を3時間ほど歩くことになった。
もちろん市場や好きなところを見て回ったり休憩もしながらの時間だけど化繊シャツはビッショリ。
そんなに歩き回っておきながら、結局最初のところに戻った。
最初の若いお母さんではなく、今度は気弱で頑固そうなおじさんが迎えてくれる。
ここに決めたのは、最初に出会ったそこの子供が、リズムに乗ってワンハンドレッドタウザンド〜と歌って迎えてくれた。
お母さんの真似なんだろう。ほかに姉妹と犬がいた。かわいらしい家族だな、あそこならいいか、楽しそうだと思ったからそこへ戻った。
気弱頑固親父にさっき安くしてくれると言ってたんだけど。と一応言ってみる。
『NO』
何を言っても無駄そうだった。
結局僕は、こうやって人と関わることが好きなんだと思う。人との関わりを求めている。
人と関わることが大嫌いだと思っていた僕が、こうやって苦手だと思っていたことが大好きだと気づいていく。そのきっかけが旅だった。
人が好きだから、旅が好きなんだ。
人と関わるのは下手です。
きっと上手に表現できないかもしれないけど、僕と出会ってくれているみんなのこと、僕はすごく好きです。
ありがとう。