初めての山小屋。中には先客が8人ぐらいいて、こたつで暖まっていた。こんにちは。そう声をかけて入る。僕らもせまいこたつに足を入れ、僕はカメラとバッテリーもこたつに入れた。少しの世間話をして、笑った。みんなは山荘のご飯を食べると行ったが、僕らはお肉と、お酒を持ってきていた。準備をして、自炊専用の小屋に向かった。
自炊小屋もそんなに大きくないきゅうぎゅうに6人すわれるテーブルとイスが縦、横にスペースを無駄にしないように配置されていた。先に食事をしていたのは、山ご飯ならぬ、山おせちをしていた・・・すごい。そして、狭い中、つめながらも隣に座ったのは明るい感じの若い女の子2人組。一人はモデルさんでもう一人は写真スタジオのアシスタントと言った。キムチ鍋をするそうだ。食材を細かくジップロックに分けて、さすが女の子。僕ら男二人は、肉を食おう、豚肉のステーキ肉と牛肉、サーロインステーキ。焼くだけ。そしてごアルファ米とともに食べた。
とりあえず、ビールで乾杯し、WILD TRUKYというウィスキーのミニミニボトルを飲み、クリスマスで飲み損ねたスパークリングワインを開けて、周りの方にもおシェアしつつ話をしながら飲んだ。楽しい。2014年がもうすぐ終わる。食事を終え、食堂に行くとテレビで紅白歌合戦がやっていた。紅白を見ながら友人とだらだら楽しい時間を過ごし、いろんなひととお話できた。僕は、お酒がないとなにもしゃべれない。けど、お酒が入って楽しく話せるようになるならそれはそれでいいか、そんな自分を受け入れることにした。飲んだ量はたいしたことなかったが、偏頭痛がきてしまった。かなりひどい。飲み過ぎなんかやない。きっと、標高のせいだ。
体調がかなりきつくなってきて、でもこのカウントダウンまで起きていないと後悔する。2014年も終わりが近づいた。そんなタイミングで闇鍋タイムが始まった。雪がパラパラふっていたが、外に用意された鍋をみんなでつついた。入っているのはおでんだけど、中にはスーパーボールが入っている。それを当てた人が、景品を手に出来る。僕は気持ち悪かったけど、少しだけ鍋をの中身をとって食べた。まあ期待していなかったけど、スーパーボールは入っていない。うん、でもそれどこじゃない。樽酒はさすがに遠慮した。
カウントダウンが始まった。写真をちょっと撮って、もう後悔はない。2015年が始まるのは見届けた。そんな想いで僕は部屋に直行する。6畳ほどのスペースに布団が重ね重ね隙間なく敷いてある。僕は入り口の真ん前になったが、そんなことは気にしていられない。僕の上で部屋の出入りが何度となくされるが、僕はどこでも寝ることができる。それに体調が良くなかったのですぐに寝ることが必要だった。友人Yは入り口から離れたところだったが、後にあんまり寝ることが出来なかったと言っている。どうやら僕の自慢できる才能の一つのようだ。鈍感とも言う。
翌朝、目が覚めると、すっきり体調は全快していた。2015年最初の朝。餅つきをするらしい。友人Yは神戸の実家に帰るために早めに下りると言った。僕は、餅を食べてから下山するつもりだった。雲取山荘から山頂までは30分ぐらい登らなくてはいけない。でも、とりあえずはお餅を食べるにせよ初日の出を見るためには先に出るという友人Yと出発しなければ間に合わない。初日の出は見たい。でも、お餅は食べたいからといってそのために戻るのはめんどくさい。僕は『餅より日の出』を選ぶことにした。
正解だった。富士山がはっきり見える。少なくない人が雲取山山頂付近で同じ方向を向いている。待ちわびている。願っているのだ。きれいな初日の出が見たい。そして、寒い、と。そんな場にいることが嬉しかった。みんな同じ方向を向いて、同じようなことを願い考えている。そんな場面に心のシャッターを押した。もう少し。ここで友人Yは先に下山した。歩きながら朝日を楽しむという。そして、太陽が顔を見せる、そんなときにカメラのバッテリーが切れる。iPhoneも寒さで充電100パーセントになっていたのに電源が落ちる。あー、と思っていたら歓声があがった。写真は撮れない。けど、心に焼き付けてやる、そう思ってゆっくりと下山を始めた。
そんなわけで、2015年は最高の旅でスタートを切ることができた。楽しい旅をありがとう。
雲取山荘 ホームページ
http://www1.ocn.ne.jp/~kumotori/
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