WEB STORE『旅写真と僕を支えてくれた言葉たち』
これは、僕の生きてきた証。
自信をなくして勇気が出なくなったとき『自信って自分を信じること』何回も自分に言い聞かせた。
あれは自分に向けた言葉。旅によって自分の生きる場所を小さいながらに見いだしてきた。
いろんなことがあった。楽しいことだって、受け入れがたいことも。
でも旅は僕を救ってくれた。僕の写真と言葉で大切に、勇気づけられると言ってくれる人がいるなら、
僕はあなたにこころを込めた贈り物をしたいと思います。
WEB STORE『旅写真と僕を支えてくれた言葉たち』(https://tabi-photo.stores.jp/#!/)にて、旅で見つけた宝物のメッセージポストカード、販売中。

2015年1月24日土曜日

旅で、自分の嫌な部分に出会う。〜わからない。あの人が善意の人で、あの人 が 悪意の人だなんて。

旅で得たものは大きい。

でも、旅に出るようになって自分の嫌な部分も多く目にした。旅に出て僕はだまされないよう人を疑うことを覚えた。そして、たくさんの善意だったかもしれない人たちを疑って、傷つけ、邪険な態度をしてきたのかもしれない。だまされたくない、その一心で。

バイクタクシーにのると、降りるときに最初に交渉したときの違う値段を言われることがある。よくある手口ではある。本当にぼったくろうとして嘘を言っているのかも知れない。でも、本当は僕が状況がわからなくて、勘違いしていたのを『最初と違う値段を言ってきた』と思う状況にさせた可能性も0ではない。

わからない。人の心なんて。あの人が善意の人で、あの人が悪意の人だなんて。


去年の夏、ラオスに行ったときの話。ラオス人は穏やかで、旅で疑うことの多い僕も少しほっとしている。人を疑うって、疲れるのだ。小さいことはいすこしだけあったけど、そんなもんかと、受け止め、怒りに燃え上がることもなく、穏やかに旅を終わろうとしていた。ラオス、パクセーからバンコクに戻った。あとは空港に行くだけ。でも、あともう少しで旅が終わりということタイミングで怒り爆発が起きた。僕は、宿の場所を見失ってしまった。空港に向かわなくてはならないのに、荷物がそこにある。慌てた。少しイライラもしてきた。前にも泊まったことがあったし場所的に簡単な場所だった。完全に油断した。ここだと思っていた場所に帰ると宿がない。何度も行き来した。でもなかった。汗だくになりながら歩きまわったあげく、偏頭痛も出てきた。のども乾いた。ぼーっとしていて、意識朦朧。僕は取り合えず水を買うことにした。

水が買いたい。ゲストハウスの一階部分のフロント兼カフェみたいな雰囲気だった。時間も遅く、電気は少し暗くなっていたが、もう限界だった。目があった彼に、水が買いたいと伝えた。『この先にセブンイレブンがあるけどあそこは高い。ここで水を買えるのは本当にあなたはラッキーだと。』なまりの強い英語を流暢にしゃべった。そして彼は、僕がラッキーだと何度も繰り返した。もう僕は簡単な計算が出来なかった。値段を聞いて、こんなもんだっけ?とおもった。頭痛の芯が頭を突き刺したまま。疲れきってた僕はぼーっとして判断能力を薄く彼の言うままお金を出した。


ありがとうを言って、僕は去った。しかし、すごい違和感が残った。彼の言う通り、その先すぐにセブンイレブンがあった。その違和感を解消すべく中に入り値段を見たわけだけど、状況を察した。完全に不意打ちだった。ほんとうに些細な金額だし、小さなことではあったけど、怒りがこみ上げてくる。日本で買ったってあり得ないぐらいに高い。ほんとうに小さいこと。そう言い聞かせたが、僕はそんな小さなことで騙した彼が許せなくなってしまった。旅の疲れもあったのかもしれない。僕は彼のもとに戻ろうとする足を止めることはできなかった。顔を近づけ鼻と鼻をつきあわせた。彼は、なんだ、と言いながらも腰が引けていた。僕はしばらく沈黙の後、冷静に小さく日本語で、てめえふざけんなよ。小さいことでだましてんじゃないぞ、とすごんだ。手に持っていた水を彼の目の前で力強く指さした。彼は『水?はぁ?英語で言え!』と繰り返していた。僕は、『死ねよ』静かにだか言ってしまった。気づけば手に持ち上げていた水をおろし彼から離れた。


何がそこまで僕を怒らせたのか。『死ねよ』そんな言葉がでてしまうぐらいに。ただ、我慢できなかった。そんなちいさなことで。踏みにじられた。小さいことだからこそ許せなかったのかもしれない。騙す騙される。そんなこともある。でも、時に怒りを表に出すことは何にもならないこともある。誰を信じて、誰を信じないのかは僕次第だ。

旅で、騙されるたびに、もっとおおらかに物事を受け止められたらいい、そう思う。






写真は、ラオス ドンコーンにて。
水を懸命に運ぶ少年たち。

本文とは一切関係ありません。



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