いつも通りメールをして、あっても普通に冗談言って、笑って。でも、なんだかその彼から少しの距離を感じた。見えない透明の薄い押せばしなるようなアクリル板が距離を作り、壁を隔てている気がした。気持ち悪かった。だから、その思いをぶつけてみた。『最近なんだか、冷たくない?』
人によってこの世界にとって正しいと思うことは決して同じとは限らない。僕は、自分の思ってること、全てが正しいとじは思わないけど、間違っていないと自信を持って言えることもある。ある時、僕らはある大きな問題について、その正しさのズレをはっきりと認識した。それでも、僕は疑わなかった。僕と彼ははなんでも言い合ってきたと思うし、わかり合ったきたところも大きかった。だから今回もきっとそう。分かり合える。だから僕は間違えていないと強く主張した。どっちが正しいかなんて、人それぞれだというのに。
彼のいいところは、争いごとが嫌いで、何かあれば自分が身を引く。そういういい男だった。その時彼は、自分の主張を押し付ける僕からそっと身を引いていた。でもしこりが残ったのだろう。彼は、そのことを他の友人に相談していたという。自分をまっすぐ貫き通そうとしたことで僕は彼に自分の考えを押し付け、悩ませ、傷つけた。いろんな人がいる、いろんな考え方がある。それを理解しなければいけなかった。
『優しいよね。』そんなことを言われるのが僕はものすごくコンプレッスだった。『優しくなんかない。』そう思っているからいつもそうやって言っていた。なんども否定する僕に何度も優しいというので、お酒が入っていたのもあった。『いや絶対優しくない』と強く反論した。ついに僕は『じゃあ優しくなりゃいいじゃん』そう言われた。その瞬間、僕の力がすっと抜けた。自分は優しくないなんて言って威張ってる場合じゃなかったんだ。『優しくなればいい』そんな簡単なこと。
いま僕の目の前にいる人。その人が言うことは、一つの真実。一つの感性。正しさって一つじゃない。正しさ、正義。
もしもそんな言葉、概念が存在するとするなら、いま、その手の触れ合える距離にいるその人の、感性、言葉。そんなところから溢れ出るその人にとっての真実を受け入れていくことなんだと思った。
僕は、そんな自分の正しいと思っていることを『正しい』とぶつけられる友人に出会えてよかった。
あの時一緒にいた許通の友人は『根っこの方で二人が繋がっていれば大丈夫』そう言った。
受け入れる優しさを持つ。
いろんな考え方がある。
自分の主張だけが正しいわけじゃない。
わかっているようで、わかっていなかった。反省。
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