WEB STORE『旅写真と僕を支えてくれた言葉たち』
これは、僕の生きてきた証。
自信をなくして勇気が出なくなったとき『自信って自分を信じること』何回も自分に言い聞かせた。
あれは自分に向けた言葉。旅によって自分の生きる場所を小さいながらに見いだしてきた。
いろんなことがあった。楽しいことだって、受け入れがたいことも。
でも旅は僕を救ってくれた。僕の写真と言葉で大切に、勇気づけられると言ってくれる人がいるなら、
僕はあなたにこころを込めた贈り物をしたいと思います。
WEB STORE『旅写真と僕を支えてくれた言葉たち』(https://tabi-photo.stores.jp/#!/)にて、旅で見つけた宝物のメッセージポストカード、販売中。

2014年7月5日土曜日

18歳の一コマ〜伝えようとしなければ、伝わらない



どんなに、どもっても、伝えようとしなければ、伝わらない。


よく僕は、伝えることから逃げてしまっていた。








専門に入学してすぐの頃、

ご飯食べに行ったり、カラオケに行ったり。なんだかんだ一緒にいることが多くなった

男二人、女二人の四人組。

ある夜、Tちゃんの誕生日ということで
彼女のうちに全員集合した。

一人ずつ誕生日プレゼントをTちゃんに手渡していった。
そして、僕も。


そしたら、M子が泣き出した。
布団に突っ伏すぐらいに。




ーーーーーー

M子の誕生日、スタジオ撮影の授業だった。

みんながスタジオでゆるーく撮影の準備を始める中、

すこしだけ遅れて、M子がやってきた。

ニッコニッコの笑顔で。

洋服もちょっとしたドレスのようでとっても素敵だった。
8割が女の子だったので、その素敵なドレスをみんなに自慢げに
魅せて回っていた。

『今日彼と誕生日パーティーなんだー』

って。

僕はともちゃんの誕生日プレゼントをちゃんと用意していた。
落ち着いたら、渡して

おめでとう

そう言うつもりで、
気にはしていた。


そしたら、あっという間にパーティだから早く帰ると言う。

最後、女の子たちに囲まれ、楽しんでねー、なんて、言われている。




僕は、声がでなかった。
出せなかった。

いや、出さなかった。


大勢の中で声をだすのは勇気なんてその時の僕にはなかった。


そう、
逃げた。





そのあとも一緒の時間を過ごしていたのに、僕からは何もしなかった。

他の日に渡せばいいものの、僕は一度それを持って帰ってしまい、その傷に蓋をした。

なんとなく渡せずにまぁいいかぁ、なんて思うように自分を仕向けた。

逃げた自分をなかったことにした。



他の友人は、どこかのタイミングでおめでとうと、伝えていたんだと思う。そして、プレゼントも。






そのまますぐに、確か次の月だったと思った


Tちゃんの誕生日会を彼女の家で迎えた。


そして、冒頭に書いたようにM子は泣いた。

僕が手渡したTちゃんへの誕生日プレゼントを見て、泣いた


『私のはなかったのに…』




何も言えなかった。

僕は、大切な友人を傷つけた。





あの時、僕は、吃音じゃなかったらと強く思った。


でも今思うと違う。



どもるのが怖かろうが、
恥ずかしい思いをしようが、


うやむやにすることなく

ちゃんと伝えなかったのは自分。





そんな友人四人でカラオケに行った時、僕はkiroroの長い間を歌った。


そしたらM子がすごい喜んでたことを思い出した。

そして、kiroroのBEST FRIEND を歌った。

『今の私たちにぴったりじゃん!』

そんなことをいってニコニコしていた。


そんな18歳の一コマ。




今はもうその四人と会うことはなくなったけれど、



伝えようとしなければ、なにも伝わらない。


たとえそれが、なにをいっているのかわからないほどどもったとしても。






ちょっとしたセンチメンタル。





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