断捨離。モノを捨てるだけでは、ない、ということ。
それを通して、自分自身を変えていくということ。
僕は引っ越しで少なくない荷物を捨てた。
それでも引越しの日、捨てようと思ったものは結局、捨てることができなかった。
焼却施設までいく時間がなくなってしまったのもあったのだけど、そんなのは言い訳で、心の底では捨てる気なんてなかったんだ。
前の部屋で一緒に住んでいた、彼女のこと。6年近くの付き合いだった。一緒に使ってきた家電やセンスのいい生活用品がある。いろんな想い、自分の中で消化できていないものを、捨てることで消化し、受け入れようと思った。
でも違った。捨てたくなかった。僕が生きてきた道。そこで交わった彼女との大切な時間。それを一緒に過ごしたものたち。そのものがあることが、僕を混乱させていると思っていた。でもそれは、自分の中でそれをどう受け止めるかだった。一時期はなんでなんでと僕は彼女ばかりを責めたこともあった。でも、好きだった。それでも一緒にいたかった。その気持ちを忘れて、いま別々の道を言っていることが寂しいし、なんで僕を捨てたんだって気持ちが強すぎて見えなかった。だからそんなものたちを見ると辛かった。だから、僕の心かき乱すものたちを捨てようと思った。でも、捨てようとして捨てられなくて、いろいろ考えすぎて頭が痛くなって、吐き気がして、涙も出てくる。でもそんなことをしながらやっと、思い出した。
一緒にいた時間、本当に幸せだったっていうこと。
一つ一つのものが生活を豊かにしてくれるものだと思うし、触れるたび、いまは幸せな気持ちを思い出すことができる。受け入れたんだと思う。長かった。彼女が僕の元を去って1年3ヶ月。とっくに吹っ切ったと思ってた感情が湧き出てきた。引越し。これは別にそんな想いを吹っ切るためとかそういうのではなくて、家賃下げるためだけだったけど、前を向くためにやっぱり必要なことだったんだ。やっと、正面向かって自分の気持ちに向き合える時がきた。いまスタート地点に立ったんだ。過去に心か乱させることもせず、自分を信頼して、ただただ前を向く。
モノを捨てたり、環境を変えたりするのも、一つの正解だと思う。
でも、自分自身が変われば、モノや環境の受け入れ方も変わってゆく。
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旅する写真家 HIROSHI KIKUCHI
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