WEB STORE『旅写真と僕を支えてくれた言葉たち』
これは、僕の生きてきた証。
自信をなくして勇気が出なくなったとき『自信って自分を信じること』何回も自分に言い聞かせた。
あれは自分に向けた言葉。旅によって自分の生きる場所を小さいながらに見いだしてきた。
いろんなことがあった。楽しいことだって、受け入れがたいことも。
でも旅は僕を救ってくれた。僕の写真と言葉で大切に、勇気づけられると言ってくれる人がいるなら、
僕はあなたにこころを込めた贈り物をしたいと思います。
WEB STORE『旅写真と僕を支えてくれた言葉たち』(https://tabi-photo.stores.jp/#!/)にて、旅で見つけた宝物のメッセージポストカード、販売中。

2014年6月5日木曜日

大切な人が死んでいくたびに、アンコールワットへの想いが強くなっていく〜僕の旅の原点。戦場カメラマン一ノ瀬泰造が見たかったもの。






この静かな音楽を聞きながら僕の今日は始まりました

『地雷を踏んだらサヨウナラ』サントラ



僕を旅に駆り立てたもの

それは

『地雷を踏んだらサヨウナラ』という映画。

戦場カメラマン 一ノ瀬泰造の伝記的な映画。

そして、沢木耕太郎の深夜特急という本。


初めての旅、僕はタイからバスでカンボジア シェムリアップに向かった。
そして、今度は宿を取り、バイクタクシーに乗って、アンコールワットを目指した。

近づき、だんだんと


『あれだ』



そう思った瞬間、とてもこみ上げてくるものがあった。

『地雷を踏んだらサヨウナラ』という映画。

戦場カメラマン 一ノ瀬泰造の伝記的な映画。

彼はベトナム戦争当時、
クメールルージュの管理管制下にあったアンコールワットの写真を撮ることはできなかった。ところが、何度も管制下に立ち入り、写真を撮ろうとし、
何度もクメールルージュにとらわれ、フィルムを取り上げられている。

そんな時ですら、『アンコールワットを一目見て惚れたんだ。写真ぐらい撮らせてくれ』と銃を向けられるまで強く訴えている。


最初は、自分の写真があまり高く売れない中、そんな時代のアンコールワットの写真はものすごく高額で売れると知ったからなのかもしれない。
それでも彼は、いろんな想いが重なり、アンコールワットが撮りたい。そう想い、魅せられていた。

そんなアンコールワットはどんなところなのだろう。
彼の魅せられたアンコールワットが見たい。


泰造にはカンボジアに、高校で物理を教えるカンボジア人の親友の存在があり、
またその親友の家族も彼を本当ののように扱った。

そんな一見愛にあふれた楽しい日常。

それでも、
クメールルージュが国を支配している
戦争で人が殺し合っている

その二つが、愛にあふれた幸せな日常に
何とも言えない悲しみも、もたらしていた。


子供たちと遊び
泰造が部屋に戻ると、
激しい爆発音がした。

さっきまで子供たちと遊んでいたところが爆発している。

大切な人、ソッタが血まみれになって倒れている。
弟想いの優しいお兄ちゃんだった。

彼を失い
悲しみに暮れる泰造だったが、
目を瞑っていたソッタにカメラを向ける。
叫び、鳴き声、嗚咽、が飛び交うそこで

彼はどうしてもシャッターが切れない。




ソッタの弟、チャンナが、

いつかアンコールワットに行ったらパパとママに早く帰ってくるように言って

そう泰造に話していたことがあった。

そんな時、近くにいたソッタはとても悲しそうな顔をする。
それで泰造は悟った。ソッタのついた優しくも悲しい嘘を。


泰造は一度は国外追放されるも、死を覚悟し危険な橋を渡り、
もう一度命を賭けてカンボジアに渡った

親友の結婚式だった。
泰造に駆け寄ってくるチャンナ。
しかしそこには地雷が埋まっている。

彼は聴力を失っていた。

泰造の、『止れ!!!!!!』

必死の声はチャンナの心には届かない。
ただ、いつものように大好きな泰造のもとへ走って行きたかった。

そして、地雷を踏んでしまう。
また彼は大切な人をまた一人失った

『なぜアンコールワットかわからないが
大切な人が死んでいくたびにアンコールワットへの想いが強くなっていく
日本を出てからずっと探していたものが
あそこに行けばすべてが解決するような気がしてきたんだ』

地雷を踏んだらサヨウナラ

そういい残して、彼はアンコールワットに消えた。

彼がファインダーに収めたかったアンコールワット。
それはどんなアンコールワットだったのだろうか。


僕も泰造が見ようとしていたアンコールワットが見たい、その強い想い。

そして、沢木耕太郎の深夜特急を読み、そこから旅の仕方を学んだ。



きっと旅に十分なものは持った。



あとは旅をするだけ。

それが僕の最初の旅の原動力だったのかもしれない。

山歩家 菊地洋 のTwitter&Facebook

0 件のコメント:

コメントを投稿