僕は、吃音なんかに負けてたまるか、と思った。
だから会えて話す仕事を選んできた部分は確かにあった。
もしかするとそれで吃音が治るかもしれないと思ったし、けど、結局吃音は治らなかった。
僕がホテルのサービスマンをしていたこと、宅配寿司店で働いていた時のことを今日はちょっと書いてみようと思う。
僕はホテルで、結婚式のサービスをする際にお飲物を伺うことがあった。
しかし、僕は「オレンジジュース」の「オ」が言えない。
他のことは明るい声の口調と勢いでなんとかごまかせることも多かった。
でもこれはどんな工夫をしてもあまり効かない。
それでも、僕なりに考えて、喋れないけど、笑顔は一番になろう。そう考えて実践してきた。
どもったとしても、あなたに幸せになって欲しいんですと全身で伝えることにした。
そう思って頑張った。
僕は「宅配すし」で働いた時は、電話が受注の導線。
最初は電話だけはと逃げていたのですが、一ヶ月ぐらいして逃げられなくなった。
上司から、とうとう「やれ。」と、言われたのだ。
電話が最も大事であるはずなのに、僕が電話を取ると受注の途中で有っても電話をガチャと切られることも少なくなかった。
それでも、なんとか必死で明るい声を出しどもらないようたくさんの逃げ道を考え出した。
やっぱりここでも僕とお話しした人が気持ちよく幸せな気持ちで受話器を置いて欲しい。
柔らかい口調で、優しく、ゆっくり、時にはちょっとした世間話を聞いた。
配達に行っても、大きな声で、とびきりの笑顔で挑んだ。
そうしたら、いつの間にか、感謝の言葉をすこしづつもらえるようになった。
あら、あなたね。
いつもありがとう。って。
今日は孫が来てるからお寿司頼んだの。いろいろお孫さんのことを嬉しそうに話してくれた。
めちゃくちゃ嬉しかった。
人は誰でも幸せでありたい、そう思っているのだと思う。
その幸せのきっかけは、ほんとうに些細なことかもしれない。
僕は人を幸せな気持ちにしたい。
その一点だけを考えて一生懸命取り組んでいた。
どもろうが、僕はそんな目的・意思を持って仕事をし、感謝の言葉を得られるようになったことで、ほんとうにやりがいのある仕事にすることができた。
僕にホテルで接客をさせてくれ、電話受注をやらせてくれた会社には本当に感謝している。本当に精神的にきついこともあったと思う。でも、そこで経験したことが、自分を成長させた。
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