僕は吃音だ。
15歳だったあの頃、僕はどもるから人生を捨てるしかない。
そう思っていた。
どもるから友達も少ないし、勉強もできない。どもらなければ、先生や親や周りの同級生にもっと認められるはず。
そんな風に思ってた。
どもってしまうと、途中で話すことを諦めることもたくさんあった。自分の想いとか楽しかったこととか、いやでどうしょうもなかったこととか、どもるから途中で諦めてしまう、伝えることを。
そうやって、自分の言葉を押し込めてきた。
そのうちに、自分のことを話すことができなくなっていた。
嬉しい時も、悲しくて助けて欲しい時も、なんて言葉にしていいのかわからない。
そんな僕は、沢木耕太郎の深夜特急を読み、こんな旅の世界があるんだと夢中で読んだ。
戦場カメラマン一ノ瀬泰造を題材にした地雷を踏んだらサヨウナラという映画に心揺さぶられた。命をかけてまで、クメール時代のカンボジアで命をかけてまで撮りたいと乗り込んで行ったアンコールワットとはどんなところなんだろう。
僕は20歳の時、無理を承知で職場の人に旅に出たいので一ヶ月休みをくださいとお願いした。
すると、笑顔で行っておいで、と帰返ってくる。
職場の理事長は自分が筋ジストロフィーと言うどんどん筋力が低下して行く障害者だった。一リットルの涙の主人公も子供の頃は普通だったが、だんだん筋力が低下して歩けなくなっていった。彼女も筋ジストロフィー。
「僕にはやりたくたってそんなことはできない。やりたいと思うなら行っておいで。後悔して欲しくない。」
そうやって快く送り出してくれた。
そうやって僕は旅に出て、ある女の子の笑顔と出会う。
それは今までの価値観をいい意味で変えてくれるものだった。
あの出会いからおよそ10年が経った。
今だって、僕はめちゃくちゃどもる。バカにした態度をされることもあるし、道を聞いたって、病院の受付だって変な顔をされるとこもある。自分の言葉で何かを伝えることだって相変わらず苦手だ。
それでも、それでも。
僕は変わった。
吃音だからと言って、いっぱい落ち込むことはあったってそんなに卑下することはないんだ。人生を捨てるしかないなんて思うことないんだ。
悩んだってそうやって最後には思える。
旅で、自分らしさを出す。
勇気を出して声をあげて、嫌な思いもして、
苦手だと思ってたことが、大好きだったと気づいた。
僕にとって旅は自分らしさを出す魔法だった。
カン ボ ジ ア でコ ンプレックスを乗り越えた笑顔に出逢うまでの旅日記シリーズ
お時間がなければぜひ④だけでもお読み頂ければと思います。
それでは、よろしくお願いします。
どもるからなにもできない、でもとりあえず旅に出てみた〜カン ボ ジ ア でコ ンプレックスを乗り越えた笑顔に出逢うまでの旅日記①
異国の地で初めての国際バスチケット手配、パスポートのアラブ人〜カンボジ ア でコンプレックスを乗り越えた笑顔に出逢うまでの旅日記②
http://outdoorbackpaker.blogspot.com/2014/04/blog-post.html言葉の問題もある。価値観の問題もある。旅で怒りの感情を素直に出せた。〜カ ン ボ ジ ア でコ ンプレックスを乗り越えた笑顔に出逢うまでの旅日記③
http://outdoorbackpaker.blogspot.com/2014/04/blog-post_2.htmlそうだ、言葉だけがコミニュケーションじゃない〜カン ボ ジ ア でコ ンプレ ックスを乗り越えた笑顔に出逢うまでの旅日記④
簡単なものですが、
自己紹介ムービー作ってみました。
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