カンボジア国境からのバスの乗り継ぎはえらく待たされた。
ようやくバスが来たが、子供達が駆け寄ってきてほうきで中の砂を吐き出す。すごい砂埃だ。それが落ち着くと順番に乗客が乗り込んでゆく。
僕の前の人で椅子が全て埋まった。椅子が僕の分足りなかった。
結局その辺にあった椅子が車内に運び込まれ僕はそれに座ることになった。
バスは舗装されていない道を走るので、何度も飛び跳ねる。
何度も飛ばされながら10時間近くもの長時間そのイスで耐えなければならなかったのだが、途中で意識朦朧としていた。
眠い!!しかし寝てしまうと、倒れこむことは必至。バスは常に飛び跳ね続ける。
何回か言葉を交わしていた隣のオランダ人に話しかけて眠気を吹き飛ばそうと考えた。そして僕が意識朦朧とかけた言葉は。。
ア~ィム スリィ~ピィ~!!!
彼らは自分たちの座っている普通の座席に変わってくれるという。いや、そんなつもりで言ったんじゃないと思いながらも僕は席を譲ってもらった。彼ら二人に挟まれる形になり僕は少しばかりの安眠を取ることができるはずだった。
意識朦朧としていた僕は、寄りかかれという彼らの言われるがままに左側の彼の肩に寄りかかった。
いつの間にか彼の手が僕の太ももに置かれた。
そしてすこしづつ腿の内側に動いてる。
まさか、と思いつつやんわり、NO。
しばらく経って、またてが同じ方向に動いた。もう手はあそこのすぐそこ。今度は間違えない。
NO!
はっきり言うと、目ぱっちり覚め、若干気まずい雰囲気でシェムリアップへ向かうことになってしまった。
バスの到着は予定よりだいぶ遅れ深夜になった。バスはシェムリアップのゲストハウスについた。ほとんどの乗客がそのゲストハウスへ宿泊。僕もそのうちの一人。
広くて素敵なゲストハウスだったが、翌朝ゲストハウスの人とちょっとしたことで言い合いになってしまいゲストハウスを飛び出した。
言葉の問題もある。価値観の問題もある。人に怒りの感情を出すなんてなかった僕は、この旅で何度もそういう自分と会えた。ずーっとどもるから言わなくてもいいかと、自分の想いを押し殺してきた。そんな僕にとっては素直に感情を出せるのは気持ちよかった。
日本語でこういう気持ちを表現するには、この日本語を使えばいいなんて無意識に考えているんだと思う。
吃音には言える言葉、言えない言葉があることがある。
例えば、僕はありがとう、の「あ」が出にくい。
けど日本語が通用しないところに来て、たとえ伝えたい思いと全く違ったって、とりあえず言っとけ!どもったって、わからないし、言ってることもどーせ100%はわからない!
そんな風に思えて、コミニュケーションに関してはほんとノビノビできていた。
そのあと、適当に道を歩いてるとホテール?と、声がかかる
確か一番最初に声をかけてくれたの彼だった。優しそうなつながり眉毛の彼を信じて、宿を決めた。
彼の名はワンナー。
家族的なハウスで
すごくそこにいるみんなが暖く、最高のゲストハウスだった!
とりあえずワンナーがバイクでアンコールワットに行く間バイクタクシーとしてチャーターされてくれるというので、彼を雇った。
その日の夕方から彼のバイクにまたがり、サンセットのアンコールワットを目指した。
あこがれていた、あの、アンコールワット。
もうすぐ相対しようとしていた。
たぶんあれだ。
アンコールワットだ。
今現実にアンコールワットを目にすることのできる距離にいる。
一応聞いて見た。
アンコールワット?
Yes!!!
ワンナーは素っ気なく答えたが、僕の目頭はすこし熱くなっていた。
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