WEB STORE『旅写真と僕を支えてくれた言葉たち』
これは、僕の生きてきた証。
自信をなくして勇気が出なくなったとき『自信って自分を信じること』何回も自分に言い聞かせた。
あれは自分に向けた言葉。旅によって自分の生きる場所を小さいながらに見いだしてきた。
いろんなことがあった。楽しいことだって、受け入れがたいことも。
でも旅は僕を救ってくれた。僕の写真と言葉で大切に、勇気づけられると言ってくれる人がいるなら、
僕はあなたにこころを込めた贈り物をしたいと思います。
WEB STORE『旅写真と僕を支えてくれた言葉たち』(https://tabi-photo.stores.jp/#!/)にて、旅で見つけた宝物のメッセージポストカード、販売中。

2016年1月19日火曜日

足のつかない滝壺で泳ぐ。〜セブ島。モアルボアルからカワサンフォールへ行 く。②



おじいちゃんが、静かにご飯を食べている。僕からの投げかけに、首を動かして答える。決して笑わないけど、優しい目。ずっと何かを見つめている。一人なのかと思ったら、家族が滝壺で泳いでいる。

カワサンフォールでいかだに乗って激しめの滝マッサージを受け、そのあとすこし泳いだ。その滝壺の深さは、わからないけど、間違えなく足はつかない。ざっとでも水深を調べようとしたけど、正確と思われる数字は出てこず。ブログによっては、現地の人に9メートルと言われたとの記事もあった。足のつかないところで泳ぐのは怖い。海でもそう。足のつくところまでしか行けない・・・滝壺にはいかだを移動させるためのロープがついていて、それを見失わないようにして、意を決した。えいっ!恐怖心とともに僕は滝壺の端から端まで数メートルを泳いだ。一度泳いでしまえば怖いものの、楽しくなって、何度か往復した。そのうち疲れてきて、でもまだまだ、岸にはたどり着かなくて、とちょっと怖さが溢れ出る瞬間もあったけど、楽しかった!

ここは、一人で来て、楽しめるかなぁなんて、思ってましたけど、充分楽しめます。一人旅でも、カワサンフォール、おすすめです。

滝壺でスイム&いかだに乗って滝マッサージ。セブ島。モアルボアルからカワサ ンフォールへ行く。①


モアルボアルの中心地から、バスもあるみたいだけど、トライシルクで50分ほどの場所にカワサンフォールという滝がある。いくつかあるのだけど、モアルボアルから一番アクセスしやすいだろうと、ここに決めた。

トライシルクやモーターバイクは、宿でお願いするなり、バスターミナル(といっても市場の前に小さな掘っ立て小屋があるだけ)付近のお兄さん、行き先を告げ、値段を聞いて、気の合いそうな人にお願いするといいかも。

カワサンフォール。どんな場所なんだろうかと、思っていたのだけど、滝壺で、海水浴をするように、学生さんや、ファミリーがワイワイしている雰囲気。海の家のシステムのように、テーブルひとついくら、で場所貸しもしている。そこでお弁当を広げたり、コンロでバーベキューみたいなことをしている家族もいた。事前に旅行会社や宿でツアーに申し込めば、トレッキングもできるよう。入場料は確か40ペソ。フィリピン人は20ペソ。一人だったので、ドライバーにも付いてきてもらって中で荷物を持って待っていてもらった。

滝壺に着くと、お兄さんが、いかだに乗らないかと声をかけてくれる。一人300ペソ。だいたい千円ぐらい。フィリピンの物価を考えるとかなり高いぞ、と思うけど、でもその値段は看板に大きく書かれているし、絶対やりたいことだった。


グッドマッサージ!と何回もいっているけど、滝に当たってマッサージってことね、はいはい、って思っていた。言われるがままいかだの上でうつ伏せ。寒さにブルブル震えながら、滝にすこしずつ打たれていく。


・・・・・・


うおっ!!めっちゃ気持ちい!!!!!


滝のものすごい水圧が体の筋肉を程よくほぐしていく。

いかだのお兄さんは、いかだを器用に動かしながら、僕に当たる滝の水圧を調節し、足を上げて、座ってみて!!手を上げて!といろいろ指示を飛ばしていく。なかなか、水圧で思い通りに動けないこともあったけど、下手なマッサージ行くより、全然いい!終わる頃には体はポッッカポッカ。


最後のさいご、最初は300ペソでいいと言っていたのに、一人でプライベートないかだだったからなんチャラかんチャラ、600ペソだ。と言い始めたのは、残念だった。けど、何も言わなかった。(あ、いや、日本語でじゃあ先に言えよとは口から出てしまったっけど・・・)まあ確かに一人で大きないかだだしなあ・・・・にっこり笑って600ペソ出したのでした。


気を利かせたドライバーさんが、マッサージ終わりの僕を撮ってくれました。






2016年1月16日土曜日

戦わない。



モアルボアルでバスを降りるとモーターバイクやらの客引きが7、8人寄ってきた。そのうち何人かが、『どこに行くの?』と声をかけてきた。でも、僕は今まで降りてすぐの客引きは避けることにしていたので、適当にあしらった。日本語でふつーに『あ、散歩、散歩。』と。それでもしつこいから、ちょっと街を見たいんだ。ジャストウォーキン!!といって離れた。でも後ろから一人が付いてきて、後ろからこんな言葉を投げられた。

サンノバビッチ!!!
(クソ野郎!!!)

なんでそんなこと言われなきゃなんないの??????でも、彼にとっては僕の、そんな態度が気に食わなかったのだろう。頭にきてしまった僕は反射的に僕は振り返って、彼に近ずいた。頭に血が上り、睨みつけたが、そこまででなんとかおさまった。同じように汚い言葉を浴びせることもなかった。彼を横目に通り過ぎた。よかった。僕は、旅に出る前に決めていた。戦わない。すこしぐらい嫌な気分になっても、ぼったくられたとしても。僕は、すこし参っていた。だから無理やりこうしてここにきているのに、戦う気力なんて振り絞りたくなかった。初日は夜に空港に着き、最終日は昼頃の飛行機だった。まるまる使えるのはまるまる二日。大切なたった数日の旅を嫌な気分で過ごしたくはない。それに、31歳最後の日。できるだけいい気分でいたい。


ツアーにすれば、こんな嫌な思いはしなくて済む。全て前もって決まっているのだから。でも、こういうこともわかって旅をしている。嫌なこと以上に素晴らしいことにも出会えると信じているから。



2016年1月15日金曜日

モアルボアルへ。チャプステイックス・ガール。

朝早く宿を出て、セブシティーサウスバスターミナルに向かった。

モアルボアルという場所に行くことにしていたのだ。ゆっくり何もしない旅にするのだ。いまの僕にはぴったりの場所だとおもって決めた。南部行きのバスにのってモアルボアルは、セブシティーからは約3時間。バスターミナルでモアルボアルといえば乗るバスを教えてくれる。エアコンなしのバスで107ペソ。約320円。バスは時刻表なんかなく、ある程度いっぱいになったら発車するみたいだ。途中で乗客をピックアップしていく。海の綺麗な、小さな町。バスはひっきりなしに出ている。モアルボアルで降りたいと周りにいっておけば間違えない。



隣座ってもいいですか?


親子だった。僕はバックを置いていた隣の席を開けた。

女の子が、歌を歌い、目につくものすべてをリズムに乗せているよう。
僕はバスの車窓が好きだ。狭い道をかなりの猛スピードで走っているので、危なくない程度に風にあたり、流れ行く景色をたたただ眺める。少しして、その彼、さっきの彼女が静かになっている。ふと隣に目をやった。 狭い座席、動きがダイレクトに伝わる。何かもさもさと動いている。よく見ると、女の子が吐いていた。それをお母さんは上手にビニールでうけとめていた。僕もバックからトイレットペーパーとビニールを出して差し出したが、大丈夫だという。

必要な部分だけ切り取ってクリアファイルに入れて持ち運んでいたガイドブック。それを車窓を見る合間に見たり見なかったり。でも、ある時、ガイドブックの一枚を見ていたその時。その一枚が飛んだ。

僕と隣の親子の三人は、同時にその紙きれの行方を見つめ、

『あ!!』

と叫んだ。

結局、その紙切れはさっと飛んだだけで、娘の手元に僕のガイドブックの一枚は落ちた。その瞬間、3人は目を見合わせて少し間を置いてから笑った。

そのことがあって、きっと、少しは距離が縮まった。女の子は僕の目を見て、チャイニーズ。といった。ややリズムに乗った調子で。違う、ジャパニースだと言ってもそんなことは彼女は構わない。

チャイニーズ。なんどもなんどもいろんなリズムに乗ってその単語を繰り返した。僕の目を見てチャイニーズ。きっとあの紙切れの言語を中国語だと思っている。僕のこともチャイニーズだと思っているのかはわからない。ジャパニーズだよ、といっても不思議な顔をして僕の顔を見た。お母さんも違うのよ、なんて娘に優しく諭した。今度はチャプステクス。箸。それを繰り返し歌った。それが終わると、あの紙切れの、写真。ガイドブックの見所の写真。目につくところから、声に出し、単語にし、歌にした。一つずつ、チャーチ。教会。フィリピンの食べ物の写真。ピッグ。豚。などなど。そこに掲載されている見所の単語が繰り返された。彼女の歌声と笑顔で、穏やかな雰囲気が醸し出される。もう会うことのないかもしれない彼女にこう名つけた。チャプスティック・ガール。

 僕は途中のモアルボアルで降りた。その親子に満面の笑みでさようならをされながら。

2016年1月13日水曜日

吹かないシャボン玉。



市場を歩いていると、洋服に埋もれんばかりの場所で、少女がシャボン玉を吹いていた。カメラを向けるとシャボン玉は吹くのをやめた。
モアルボアル・セブ島

2016年1月12日火曜日

セブ島への旅。






セブシティー。僕が、歩きながら写真を撮っていたら、なんだか気配がした。振り向いてみると、この子がいた。僕の様子を見ていた。写真撮っていいか、と、にっこりと笑ってシャッターを押す仕草をした。頷く彼女をファインダー越しに覗くと、この笑顔。

そうそう。僕はフィリピンのセブ島にやってきた。ほんと無理やりの日程。実質2日だったのだけど、やっぱりきて良かった。ちょっと最近滅入っていて、このままじゃいけないと思って無理やり旅に出た。航空券とったのも、10日前。何もしない旅にしようと思った。セブシティーバスからローカルバスに乗って、3時間。モアルボアルというところで、リゾートホテルに泊まって、一人で、そして、ゆっくりと自分の誕生日でも祝う旅にしようと。

何もせず、ゆっくりできたし、セブの街は、生活感あふれていて、いい人も多くて、人懐っこくて、ちょっと元気になった気がしました。ありがとう。




あゆむあし




このあしで、あゆむ。どこに行くんだろうか。もうすぐ、32になろうとしている。ものおもいにふけながら、31歳、さいごの夕日のうえをあゆむ。09.Jun. 2016